まるでべっ甲?真珠貝の最外「稜柱層」の魅力

磨けば,べっ甲のよう.むくつけき茶褐色の稜柱層


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真珠貝の大抵の画像は,がま口がカパッと開いたような構図.
ボッティチェリの「ビーナス誕生」の背景のような,デザインが多いです.

それも,しようがないのかもしれません.
タカラガイやサクラガイ,クジャクガイなど.
外側が大変美しいものも多い貝類ですが,真珠母貝はというと,なぜか外側は大抵地味な色.
口を空いたようでないと,地味すぎて絵にならないのでしょう.

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アコヤガイの場合は,内側のキラキラした真珠層とは対照的な,茶褐色で稜柱層が外側を覆っています.
(正確には,茶褐色の最外は殻皮層と呼ばれる非炭酸カルシウムの構造です)

これは,他のシロチョウガイやクロチョウガイなども同様で,シェルパーツや貝ボタンの場合は綺麗に削れら,まるで初めから無かったかのようになっています.


アコヤガイのシェルパーツが,まず市場に出回らない理由の一つはここにあるのかもしれません.
シロチョウガイやクロチョウガイは稜柱層を除去したとしても,真珠層に有り余るような厚みがあります.

しかし,悲しいかな.
アコヤガイはこの2つに比べると非常に薄く,実際の強度もさることながら,質感的に重厚感がなくなってしまいます.つまり,なんだかすこしチープに見えてしまうんです.

なにかうまい活用法はないだろうか….
試行錯誤の結果,最近人気のべっ甲風に仕上げることに成功しました.

あこやシェルべっ甲は,タイマイの代用品にならないかな…


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名付けて,あこやシェルべっ甲
本物のべっ甲は,タイマイ(ウミガメの一種)の甲羅が原料です.今はワシントン条約により1994年7月以降、タイマイの輸出入は禁止されている状態.

ところで,べっ甲細工の歴史は古く,正倉院の宝物にもべっ甲細工が登場します.面白いことに,当時もなかなか手に入らない貴重なものであったためか,タイマイの甲羅以外の原料を上手に利用し,べっ甲風に仕上げている工芸品もあります.
馬の蹄や,牛の角なども利用されていたそうですよ.

真珠にくらべ,日陰者のアコヤガイの貝殻.
私くらいは,べっ甲の代用品として使って行こうと思います.
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あこやシェルべっ甲の反対側は真珠層.
ですので,あこやシェルべっ甲は必然的にリバーシブルです!

あこやシェルべっ甲ができるまで


昨日はよなよな,あこやシェルべっ甲パーツを作成.
せっかくなので,作業工程を簡単にご紹介します.

削り出したばかりのあこやシェルべっ甲.
付着生物の痕が残っています.
心なしか磯の残り香りも….
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綺麗に水洗いして汚れを除去.
さらに,数段階にわけてひたすら研磨します.
お陰で手が腱鞘炎になりそうです.
もうすこし,効率化しないといけません.
研磨し終わったばかりのあこやシェルべっ甲.
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まだまだ,荒削りな雰囲気が残ります.

コーテング剤を数回,丁寧に塗り水々しさをプラス!
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やっと完成です.
個体や個体内でも場所により柄の異なるあこやシェルべっ甲.
一つ一つに物語があります.
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時間はかかりますが,なかんかどうして手間暇かける価値はあるんではないでしょうか?
(すみません,自画自賛ですね)

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